足跡姫@東京芸術劇場プレイハウス
1月29日(日)
足跡姫 時代錯誤冬幽霊を観て来ました。
最近は落語やミュージカルが多かったので久しぶりのお芝居でした。
野田秀樹さんの作品は逆鱗に続いて観るのは2回目です。
今回の舞台はどう受け止めていいか分からなくて迷います。
ラストの妻夫木さんは良くてそれまでの時間を集約してくれたけれどそれだけでした。ラストシーンでさえも説明的すぎて、届かない。
歌舞伎の演技とお芝居は違って滑舌とか難しいんだろうなぁとか、皆んなで揃って稽古する時間はあんまりなかったのかなぁとか、佐藤隆太さんの意味あったかなぁとか、思うことはいろいろありました。
脚本も作者の思いが深すぎてこうなったのか、単純に執筆時間が足りなくてこうなったのか。未完成な作品を観た気分です。
せっかくの足跡姫なのに出演者に見せ場がないのは不思議でした。歌舞伎はここがこの人の見せ場ですよ、芸に魅入ってくださいねって感じがするメリハリの効いたところがいいのだと思うのですが。
宮沢りえさんもぐわぁーっと身体の内側から湧き上がるものがある女性には思えなかった。
前回観た逆鱗が心に刺さる力を持った作品だっただけに今回はもやもやが残ります。逆鱗は今後一生思い出すことができる自信があるけれど、足跡姫は2ヶ月後には消えてしまいそう。
今回の芝居の中には役者が死に際となってもいきたいと焦がれる舞台がある様には思えなかった。
役者が熱演しているのに舞台上には足跡すらつかないのは、とてもかなしい。