スタートライン@常滑市民文化会館
1月22日(日)
スタートラインという映画を観に行って来ました。
聴覚障がいをもつ監督が自らカメラを持ち自転車で日本縦断するドキュメンタリー映画です。
自転車、旅、コミュニケーション、どれも私にとって気になるワードだったのでポスターを見た時から気になっていました。今回、文化会館で上映されると知って行って来ました。
ゆるい気持ちで観に行ったのですが、思った以上に私の生き方を反省させられる心に痛い映画でした。
普段から人とコミュニケーションをとる事を極力避けている私にはグサグサ伴走者の哲さんの言葉が刺さりました。特に、「思うだけではだめでしょ聞かなきゃ」っていう言葉に序盤からノックダウン。痛い。
会話をしていて、相手の事をよく聞かないで想像して自分の中で勝手に解釈している事が良くあります。想像できることを今更聞いてもムダだよな、とかしょっちゅう思います。それが自分の中で当然の事だったので聞かなきゃいけないというのは目からウロコ。本人に直接聞かずに決めつけてしまっている事が振り返ると余りにも多い。
監督寄りの人間なので、映画も完全に今村監督寄りで観ていました。監督がやらかして言い訳をしていても、だよね、しかたないよねって気持ちになって甘やかして観ていました。もちろん、そんなのは哲さんには通じないのだけど。
耳に痛い言葉も哲さんが真剣に向き合って言っている言葉だから逃げ場がなくて辛い言葉も受け止めるしかなかった。
耳が聞こえないこと、言葉が通じないことがコミュニケーションをできなくする訳ではなくて、もっと根本的な力の問題がある。
昨年観た「聲の形」もヒロインが聴覚障がいを持っているが故に障がいのテーマに目が行きがちだけれど本題はコミュニケーションの問題だったのを思い出しました。障がいが有る無しではなくて耳が聞こえている同士でもすれ違うし一緒にいる事が難しい。
監督が耳の聞こえない事に引け目を感じておっくうになる気持ちはよくわかる。会話に入っていけない事も。私は聞こえていても入れない派なんだよなと再確認。だから、飲み会とかでも黙ってしまう。だめだな。
一人よりも絶対誰かいた方がいい。
哲さんの言葉は本当に力強い。後ろの席のおじさんが本当に坊さんみたいだなって言っていたのが面白かった。
日本縦断自転車旅を映画にするのは凄く大変だっただろうと思います。初心者が自転車にそんなに毎日長距離走るなんてそれだけでも大変なのに、カメラが回るなんて。
でも、ウィルさんもすごく素敵だったし飾り気のない素直な優しい映画でした。
今年一年は人生を頑張ってみようかなとおもいました。