しおかわにっき(`・ω・´)

ゆるゆる鑑賞日記。節約して切り詰めても好きな事がしたい。

澤田酒造(白老)蔵開き2017@常滑

2月25日(土)

澤田酒造の酒蔵開放に行ってきました。

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10時少し前に到着したのですが、すでに沢山の人が並んでいて。

天気は快晴で暖かくて気持ち良かったです。

500円を払ってお土産のぐい呑と試飲チケットのような物をもらえました。

 

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靴をスリッパに履き替えて蔵見学に入ります。(その日履いていた靴下のせいかスリッパが滑ってしまい、一か所急な階段を下りるのですが、転びそうでした。高齢の方は注意が必要かもしれません。)

 

中の見学はしっかり準備してあるのが伝わってきました。スタッフの若い女の子が声をかけてくてれて、PRを頑張っていました。いろんな国の言葉で説明文がありました。

あと、お酒のマナーが書いてあって。徳利を振ったり覗いたりして残りの量を確認してはいけないらしいです!知らなかった。

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見学終わりにまずは原酒の試飲があります。

香りや甘さが控えめで、個人的に飲みやすく美味しかった。

 

試飲コーナー、物販コーナーがあり試飲をゲットしにプラスチックのコップを持ってうろうろ。

ぬる燗や甘酒などもありました。

あと、井戸水が!

ペットボトルを持ってきて入れている人もいました。

 

とにかく、人が多い。大きい酒蔵ではないので完全にキャパを超えています。人とがんがんぶつかります。

試飲もちゃんと並んでいない所が多く、ここかなと思う所に並んでいてもどんどん横入りがあって、並ぶべきなのか、そもそも並ぶ必要がないのか、よく分かりませんでした。

1日目の最初と一番混む時間だったのかなとは思うのですが、自称常連さんの割り込みはちょっと酷いです。

 

試飲を貰うまでに疲れてしまい、いくつか試飲しましたが余り味を楽しむという事は出来ませんでした。並んで待つのは得意なのですが、自分から注いで注いでとアピールして試飲を貰うのは私向けではなかったな。

 

あと、車で行ったのですが、運転手の人は赤いシールを貼るようで同行者の左腕辺りにシールを貼ってもらったのですが、ダウンジャケットだったのでいつの間にか剥がれてしまいなくなっていました。そして、車で来ている人がそこそこ居たにもかかわらず、会場にはシールを着けている人を1人も見かけませんでした。単純にみんな剥がれてしまったのかも知れませんが、怖いなと思いました。

 

今回の蔵開きは、ちょっと気になる事が多かったです。

でも、地元の人が毎年楽しみにしているんだろなって思うと、やはり素敵なイベントです。

多くの人に楽しんでもらいたいと思う反面、人がもっと少なければ最高なのにと思ってしまいました。

 

お土産のぐい呑はちゃんと作家さんの物で、かわいくてほっこりしました。これは嬉しい!

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永青文庫 日本画の名品@名古屋市美術館

2月11日(土)

永青文庫 日本画の名品展を観に行って来ました。

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一番の目的は仙厓の禅画です。

ほんとうにゆる可愛くて大好きです。

入ってすぐの所は写真可だったのでパシャパシャ。

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ゴッホゴーギャン展の後に観に行ったので余計に日本画の繊細さと匂い立つような美しさを感じました。

系統が全く違うのでおもしろかった!

 

あの、肌の柔らかさや髪の毛一本一本まで精密に描かれていて、布の透き通った具合とか、別世界に連れて行ってくれそうな雰囲気はなんなのだろう。

 

どうやって描いているのか、どんな人が描いているのか。

今回の第一部は近代の日本画だったので色々な絵の具とか技法とかを駆使して描いているようでした。

ポスターに使われている菱田春草の「黒き猫」は毛がとてもふわふわで触ったらどんなに気持ちいいだろうか、不思議な存在感でした。

 

第二部が白隠と仙厓の禅画でした。

細川護立は闘病中に白隠の禅画に救われて集め始めたそう。そこで集めている内に白隠を集めるなら仙厓もと助言を受け仙厓も集め始めたらしい。

庶民にも禅の教えを広めるには仙厓の禅画は最高だったのではないかな。かわいい絵と一緒にしっかりと禅の教えが入っているのがおもしろい。

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この絵は蜆子和尚図。「合点、合点、和尚は殺生しちゃだめですよ。」みたいな事が一緒に書いてある。でもこの和尚さん、名前こそ誰だか分からないそうですが蜆子を採って食べて一年中一枚の着物で生活していた人らしくて。

なんとも、こういった文と絵が仙厓さんという人を現しているようでたまりません。

 

後、「絶筆の碑図」という、もうこれが最後です、これ以降は禅画は描きませんという絵を何回も描いたというエピソードには笑いました。近くにいた初老ぐらいの男性も笑ってた。

 

仙厓さんが名古屋で観られるのはとても嬉しかったのですが、やっぱり永青文庫で観た仙厓さんの絵が良かったかな。絵がのびのびしていたように感じます。あの永青文庫の雰囲気のせいでしょうか。

 

永青文庫に行った時は仙厓のポストカードなどのグッズが無かったので、今回は少しあって嬉しかった!即買いました。仙厓さんグッズは絶対売れるからいっぱい作って欲しい……と思う反面あんまり安売りしない所がいいなとも思います。雑貨屋さんとかで売っているようにはなって欲しくないから複雑です。

 

永青文庫に続き、名古屋でも仙厓さんに会えて嬉しかった。

また、次があれば観に行きたいな。

ねのひ蔵開き2017@小鈴谷工場

2月12日

ねのひ蔵開きに行って来ました。

常滑の蔵開き、白老は毎年あるのですが、ねのひは16年ぶりとのこと。この日は昼から予定があったので朝イチでちょっとだけ行って来ました。

常滑駅発の一番早いシャトルバスで向かったのですが、会場にはすでに多くの人がいました。車内からは晴れていたので海だけでなく雪のある鈴鹿山脈も綺麗に見えました。

天気も良くて、でも息が白いくらい空気が冷たくて気持ちがいい日でした。晴れて良かった!

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蔵に入る前に試飲用のお猪口を200円で購入。列に並んで少しずつ中に入っていきます。工場は随分と年季が入っていて、廃墟感も漂う建物に美味しいお酒を求めて吸い込まれていく人々。一歩入ると甘いようなツンとした独特な匂いがしました。中は大きな樽があり発酵中のもろみがいっぱい。

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ぶっくぶく。ゆっくり見ていたかったのですが列に並んで進んでいかないといけないので、あまりしっかりとは見れませんでした。

 

そして、酒米若水)を一口試食。真っ白なお米で普段食べているものより硬かったです。

 

さてさて、とうとうお待ちかねの試飲です!

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人がいっぱい!

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全部で6種類。どれを飲むか幸せな悩み!

この後の予定がなければ全部制覇したかったのですが、酔っ払ったらまずいのでとりあえず本日限定という2種類を飲んでみました。

 

ここまで来ておいてなんですが、私は日本酒があまり得意ではなくて焼酎派なんです。勿論嫌いではないのですが、あまりいっぱいは飲めません。久しぶりの日本酒、ちゃんと飲めるか不安もありつつ、一口……。

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うんまーい!!

一口飲んだだけで無理にでも来た自分へと、ねのひさんへの感謝でいっぱいに。

試飲と言いつつお代わり自由で、並々と注いでくれるので充足感がやばいです。1番と2番を飲んだのですが、正直私にはほぼ違いが分からず。1番の方が味が整っていて飲みやすいかなぁぐらいでした。

どちらもおいしかったから、それだけでいいんです。

 

天気が良くて、人がいっぱいいて、美味しいお酒を飲んで、太鼓の音を聴いて、こんな幸せなことはなかなかないな。

 

飲食関係の屋台もちゃんと美味しそうで、時間があれば食べたかった!

 

蔵開き、素敵なイベントでした。次は何年後になるんだろう。

また、来年もあったら最高なんだけどな。

ちょっとだけでも行けてよかった!

 

ゴッホとゴーギャン展@愛知県美術館

2月4日・11日  愛知県美術館ゴッホゴーギャン展を観に行って来ました。

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どちらも土曜日の同じぐらいの午後1時過ぎの時間に行ったのですが、11日のほうが人が多かったです。1.7倍ぐらいになってたかな。

 

1回目は音声ガイド有りで友達と行って、2回目は音声ガイドなしで一人で行きました。

 

普段は音声ガイドを使用しない事が多いのですが、今回は知ってる声優さんがやっていたので借りてみました。(ハルヒジョジョも好きなので嬉しい組み合わせ!)

音声ガイドと言ってもガイドというよりは声優さんそれぞれがゴッホゴーギャンを演じていて画家が喋っている設定なのでこういったガイドは珍しいのでは……?

 

ゴッホゴーギャンも名前ぐらいは知ってるレベルの知識しかなかったので二人の共同生活の終焉には驚きました。 ストーリー性の高い音声ガイドも影響して衝撃が大きかった。自分で自分の耳を切り落とすなんてゴッホの追い詰められ具合に二人に何があったのか、それとも何も無くてゴッホが精神を蝕まれて行ったのか。ゴッホの自画像を見る気持ちが変わります。

 

ゴッホは27歳で画家になり37歳で自殺。たった10年間しか描いていない。自分がちょうど27歳なので私の歳からでここまでの絵を残したゴッホを身近に感じると共に尊敬します。

ゴッホの絵は作品の中に居場所がある感じがするところが好きです。たとえ私がその絵の中に迷い込んでも誰にも排除されず、誰にももてなされず、気にもされず、話しかけられずそこに居られる気がします。だから、ずっと観て居られる。

一回観に行った後に何故だかもう一度観たくなった理由はそこだと思います。

全体的にみたらゴーギャンの絵もいいなと思うのですが、好みでいったらゴッホでした。

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ゴッホの初期の薄暗い絵の中にあった「織機と織工」の絵がいいなぁと思っていたのでポストカードが売っていて嬉しかった!好きだと思う作品があんまりポストカードになっている事がないので思わず買いました。全体の色は暗いけれど温かくてゴッホが相手を尊敬して描いたような風に感じられて私は今回の展示の中で一番好きでした。

 

今回の展示は二人の関係性は勿論の事、ゴッホという絵の才能を持った人の作品の移り変わりがみられて楽しかったです。独学から始めたゴッホはいろんな人の影響を受けて、絵を追求していったのだな、と。

 

ゴッホゴーギャンの今回の展示が胸に刺さる人は多いのではないでしょうか。あれだけの二人の絵に囲まれて、音声ガイドを聴いて、世界に浸ったら暫くは抜け出せなさそう。もし、お客さんが少なくて私ひとりで鑑賞していたらやばかっただろうと思います。

 

誰かと語りたいような、他の人の意見など聞きたくないような、独り占めしたいような、大声で広めたいような。

とりあえず、生で観る絵はいいぞ。

写真やポストカードとは全然ちがう。

 

正直、ここまで私が楽しめるとは思っていませんでした。図書館で絵本まで借りてしまった。

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この絵本すごくおすすめで、お気に入りです。

 

 

 

足跡姫@東京芸術劇場プレイハウス

1月29日(日)

足跡姫 時代錯誤冬幽霊を観て来ました。

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最近は落語やミュージカルが多かったので久しぶりのお芝居でした。

 

野田秀樹さんの作品は逆鱗に続いて観るのは2回目です。

 

今回の舞台はどう受け止めていいか分からなくて迷います。

ラストの妻夫木さんは良くてそれまでの時間を集約してくれたけれどそれだけでした。ラストシーンでさえも説明的すぎて、届かない。

 

歌舞伎の演技とお芝居は違って滑舌とか難しいんだろうなぁとか、皆んなで揃って稽古する時間はあんまりなかったのかなぁとか、佐藤隆太さんの意味あったかなぁとか、思うことはいろいろありました。

 

脚本も作者の思いが深すぎてこうなったのか、単純に執筆時間が足りなくてこうなったのか。未完成な作品を観た気分です。

 

せっかくの足跡姫なのに出演者に見せ場がないのは不思議でした。歌舞伎はここがこの人の見せ場ですよ、芸に魅入ってくださいねって感じがするメリハリの効いたところがいいのだと思うのですが。

 

宮沢りえさんもぐわぁーっと身体の内側から湧き上がるものがある女性には思えなかった。

 

前回観た逆鱗が心に刺さる力を持った作品だっただけに今回はもやもやが残ります。逆鱗は今後一生思い出すことができる自信があるけれど、足跡姫は2ヶ月後には消えてしまいそう。

 

今回の芝居の中には役者が死に際となってもいきたいと焦がれる舞台がある様には思えなかった。

役者が熱演しているのに舞台上には足跡すらつかないのは、とてもかなしい。

 

 

スタートライン@常滑市民文化会館

1月22日(日)

 

スタートラインという映画を観に行って来ました。

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聴覚障がいをもつ監督が自らカメラを持ち自転車で日本縦断するドキュメンタリー映画です。

自転車、旅、コミュニケーション、どれも私にとって気になるワードだったのでポスターを見た時から気になっていました。今回、文化会館で上映されると知って行って来ました。

 

ゆるい気持ちで観に行ったのですが、思った以上に私の生き方を反省させられる心に痛い映画でした。

 

普段から人とコミュニケーションをとる事を極力避けている私にはグサグサ伴走者の哲さんの言葉が刺さりました。特に、「思うだけではだめでしょ聞かなきゃ」っていう言葉に序盤からノックダウン。痛い。

会話をしていて、相手の事をよく聞かないで想像して自分の中で勝手に解釈している事が良くあります。想像できることを今更聞いてもムダだよな、とかしょっちゅう思います。それが自分の中で当然の事だったので聞かなきゃいけないというのは目からウロコ。本人に直接聞かずに決めつけてしまっている事が振り返ると余りにも多い。

 

監督寄りの人間なので、映画も完全に今村監督寄りで観ていました。監督がやらかして言い訳をしていても、だよね、しかたないよねって気持ちになって甘やかして観ていました。もちろん、そんなのは哲さんには通じないのだけど。

耳に痛い言葉も哲さんが真剣に向き合って言っている言葉だから逃げ場がなくて辛い言葉も受け止めるしかなかった。

 

耳が聞こえないこと、言葉が通じないことがコミュニケーションをできなくする訳ではなくて、もっと根本的な力の問題がある。

昨年観た「聲の形」もヒロインが聴覚障がいを持っているが故に障がいのテーマに目が行きがちだけれど本題はコミュニケーションの問題だったのを思い出しました。障がいが有る無しではなくて耳が聞こえている同士でもすれ違うし一緒にいる事が難しい。

 

監督が耳の聞こえない事に引け目を感じておっくうになる気持ちはよくわかる。会話に入っていけない事も。私は聞こえていても入れない派なんだよなと再確認。だから、飲み会とかでも黙ってしまう。だめだな。

 

一人よりも絶対誰かいた方がいい。

哲さんの言葉は本当に力強い。後ろの席のおじさんが本当に坊さんみたいだなって言っていたのが面白かった。

 

日本縦断自転車旅を映画にするのは凄く大変だっただろうと思います。初心者が自転車にそんなに毎日長距離走るなんてそれだけでも大変なのに、カメラが回るなんて。

でも、ウィルさんもすごく素敵だったし飾り気のない素直な優しい映画でした。

 

今年一年は人生を頑張ってみようかなとおもいました。

 

シネマ歌舞伎 阿古屋@ミッドランド名古屋空港

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1月7日(土)

 映画館で上映される、シネマ歌舞伎の阿古屋を観に行きました。

 

なんという美の集大成なのか。

衣装の色のバランス、孔雀の刺繍、髪飾り、玉三郎さんの佇まい一挙一動、美しかったです。

 

最初は玉三郎さん語りのドキュメンタリーで始まり、歌舞伎本編へという構成。

現在、阿古屋を演じられる女形玉三郎さんだけだそう。阿古屋は琴、三味線、胡弓を全て見事に弾いて、尚且つその清らかな音色で身の潔白を相手に証明するという難しい役どころでそれを演奏する力と演じきる力が必要とのこと。最初のドキュメンタリーだけでも玉三郎さんの凄さと舞台にかける想いが詰め込んであります。

(実は少し寝てしまっていたので恐らくドキュメンタリーのラストと本編の始まりを見逃しています。)

目が覚めたら阿古屋の琴責めのシーン。

 

全てが美しかったです。

全てが計算されていて、無駄がなく、削ぎ落とされた美だけが残っていました。生で観たら玉三郎さんがいるところだけ別世界だったのではないかな。

私は特に胡弓の音色が好きでした。悠久の音色というのか、最初聴いた時ははっとしました。とてもすんなり心に入ってきて不思議な感じでした。

 

一度だけ生で歌舞伎を観たことがあって、その時に観たのも玉三郎さんで、あまりにもかわいらしかったので歌舞伎なんて全く無知な私ですが玉三郎さんの名前だけ覚えていました。

 

重忠役の人も美しかった。顔立ちというのはやっぱり大事なんだなとしみじみ。

 

寝てしまったので大きなことは言えませんが、芸を極めた人に映画館で出会う事ができるのでシネマ歌舞伎は面白いアイデアだと思いました。

 

でも、やはり生で観たい。

せっかくなら生で観たい。

そんな思いが強くなりました。